Friday, April 15, 2011

天なるかな、ありがたいかな。

ひさしぶりに中村天風師の書籍を読み返した。
正しく言うと、中村天風師の講演を、宇野千代氏が原稿にしたという贅沢な一冊だ。

病いは病いだ。苦しみは苦しみだ。病いにかかったといってからに、心まで病ませる必要はなかろう。肉体に病があろうと、心まで病ませる必要がどこにあろうか。そういうときには、心の方が、健康なり運命なりをよき状態に作り直して行かなければならない、その原動力としての存在なのだから、それに捲き込まれないようにしなければならないじゃないか。お前は捲き込まれどおしだ。無理でもいいから、言ってみろ。俺がお前に、ハウ・ドゥユゥ・ドューときいたら、どんなことがあっても、アイ・アム・クワイトウェルと言え。体のことをきいたことは一ぺんもない。いかに汝はあるか、というのは、お前の気分を聞いているのだ。
『中村天風の生きる手本』 宇野千代 中村天風述 より引用

ときどき、私も迷子になる。
いろんなことの痛みが強すぎて、正しく判断できないときには痛み止めも必要だ。
自分の力が戻ってくれば、また歩き出せる。
強い心が…強くありたい心が、痛みの底からよみがえってくる。

また一歩、歩き出すことができるゆるぎない力を 、私は自分に恃むがごとく、祈るように、信じていたい、と思っている。信じられるようになれるのだ、ということだけは、知っている。